• 大島丸

【大島丸代船建造 プロジェクト】第32回

みなさん、あけましておめでとうございます。
いよいよ商船高専1番船(新大島丸)が就航する2023年になりましたね!
それに向けて試運転が目白押しだとか。

昨年末のビルダーズトライアルが無事に終了したから、1月中旬には公試と呼ばれる本試験が実施される。
1月末にはオーナーズ(船主)トライアルが行われるよ。

お先に航海中の様子を動画サイトで見ちゃいました。

流石に興味津々だね。関門海峡通狭中のものだろう。

これまでの練習船とはちょっと違いますよね。
煙突のオレンジ色がめちゃくちゃ目立つじゃないですか。

以前に説明したとおり、学校がある周防大島特産のみかんをモチーフとしているからね。
下校中に見える特徴的な夕日の色でもある。

軽快というより、どっしりして力強い感じがします。
初めての運航はいかがでしたか?

私たち船員は試験に立会うだけだからね。
具体的なデータ発表は、公試が終わってからになる。

それじゃつまんないじゃないですか。

体感での報告となるが、電気推進船の特徴をすごく感じることが出来たよ。

具体的にお願いします!

(笑)すまない。運航中はあまりにも静かすぎて空調装置の送風音や人が歩いたり話したりする生活音の方が気になるレベルだったよ。

すごいじゃないですか。ディーゼル推進だった先代とは全然違いますね。

初日は風が強くて揺れることが予想されたが、先代より背が高くなっているのにも関わらず、ローリング(横揺れ)は少なくなっていた。

ベーシックトレーニングで教えて貰った歩き方や扉の閉め方が生きてきます。

通常の運航では実施しないフルアスターンからフルアヘッドへの試験も行った。
これこそモーターだ!という加速力でアッという間にトップスピードまで増速してしまったんだ。
もちろんその間船体がブルブル震える振動も少なくて、スイーっとすまし顔で走ったようにみえたよ。
外観の力強さとは違って、こっちは軽快そのものだったね。

Captainの方が興奮しているじゃないですか。

ここのところ艤装ばかり注目していたから、基本性能の大切さを忘れていたよ。

ということは、・・・。

増減速を繰り返す訓練中におしゃべりしている暇はないってことだ。

試験中、ブリッジ内では20名以上の作業員が確認作業を行っていたのに窮屈さはなかったね。ECR(機関制御室)でも同じ状況だった。

狭くて隣の学生と押し合いへし合いすることもなくなるわけですね。

就航後効率よく運航するために、発電機運転台数とLIB(リチウムイオンバッテリー)のデータ取得も行えた。
上手くいけば、半日実習ではかなり高効率な運航ができるよ。

船が大きくなったぶん燃料を沢山使っちゃうんじゃないかと心配していましたから、一安心です。

さあ、次週はいよいよ公試だ。

素晴らしい性能を発揮して、みんなをびっくりさせましょう。