- 大島丸
【大島丸代船建造 プロジェクト】第21回
【大島丸代船建造 プロジェクト】紹介
通称:MNP(MOTUNUI PROJECT)
(モツヌイ:大島に関連のあるハワイの言葉で、大きな島という意味)
みなさんこんにちは。
前々回ブリッジから船首甲板を見たCGでは、手前のデッキが茶色で再現されていました。
もしかして、木甲板を採用したんですか?

相変わらず鋭いね。
建造計画の初期段階で、木甲板を採用する様に指示されている。
フォクスル(船首甲板)には採用してないのですね。
係船作業を行うエリアには採用していないよ。
当初は航海船橋甲板と船尾部のみだったんだけど、三菱造船の協力によって、端艇甲板両舷の通路や煙突横も木甲板を採用することができた。
(下図で網目になっている部分が、木甲板を採用したエリア)


日本丸や海王丸といった帆船だけでなく、汽船の青雲丸船尾にも練習船には必ず木甲板がありました。
やっぱり木甲板があると、練習船らしいですよね。
でも、保守のための椰子摺りや石摺りがとても大変だった記憶があります。
海水を頻繁に被る場所での木材の維持はとても難しいからね。
通常はチーク材と呼ばれる貴重な木材を使用するのだが、主要産出国であるミャンマーの政情不安定もあって、なかなか手に入りにくい。
そこで、耐水性/耐久性に優れた人工木材の採用を三菱造船から勧められたんだ。
これもSDGsですね。
そうなるね。
低炭素社会と資源循環形社会構築に向けて、間伐材と樹脂をミックスさせて作製している。
自然木よりも経年変化が少なく、自己消火性を持っていることが大きな違いだね。
ついでに伝えると、フォクスルのデッキ色も木甲板と合わせて木蘭色を採用しているんだ。
採用した色のヒミツは今度教えよう。
採用した人工木のサンプル上が手摺で、下が木甲板のもの。
耐久性だけでなく、木材の手触りまでも再現している。
前述のとおり、保守管理のための時間と費用を大幅に削減することができる。


これは、船橋甲板船尾部から、船首部のブリッジを見たところだ。
この甲板全面に木材が敷き詰められると壮観だろうね。
思わず走り回りたくなりますね。
船内に限らず、船上も駆け足禁止だよ。
了解しました!