• 大島丸

【大島丸代船建造 プロジェクト】第22回

みなさんこんにちは。
9月12日にブリッジが搭載されたんですよね。

そうだね。いよいよ船体の全貌が見えてきた。
その上部構造物が一括搭載されている様子が送られてきたので、一緒に見てみよう。

え~!こんなに纏めて載せているなんて知りませんでした。

ブリッジを含めた居住区構造物は、船体とは別に造った方が、効率が良いし品質も良くなるんだよ。
だから、殆どの船でこのように一括して搭載している。

でも、後から室内に設備を入れるのが大変そうです。

だから、重量物や大物は先にデッキ上に積んでおくんだ。
中央付近に見えている黄色いカバーを掛けられている機器がそれで、先行搭載と呼んでいる。

なるほど、その後に壁やボンクを造る木工工事が始まるんですね。

うむ。だから君たちが参加する進水式の時には、船内はこれまでCGで見てきたような設えは殆どできていない。

あら、残念です。

進水してから2ヶ月ちょっとで1回目の試運転に行くから、ここから木工工事に携わる大工さんたちは大変だ。

それでも、授業で船体を人体になぞらえた時のように、骨や内臓ができているから、船としての構造は出来上がっているんですよね。

よく覚えていたね。
そのとおり、基本構造はもちろん大切で、健康で快適な生活を送るために必要なことだ。
だが、艤装品の配置や色調の工夫が安全運航にも繋がるし、船内生活を潤いあるものにしてくれるのさ。

私がオシャレするようなものでしょうか?

的確すぎて、言葉もないよ。
今週末に煙突とマストが搭載されるから、いよいよ全容が見えてくる。

ブリッジはアルミでしたよね。

その下部の乗組員居住区もアルミ構造で、主船体が鋼板(鉄)構造になっている。

アルミは鉄より高いと聞きましたが。

確かに高いが、採用する価値がある。
一番の理由は船体の軽量化だね。アルミは鉄よりも軽いのはわかるよね?
船体の上部を軽量化し、復原性を適切にキープするための工夫だね。

ボトムヘビーとトップヘビーですね。
ボトムヘビーだと強い復原力となり、横揺れ周期が短くなり、
トップヘビーだと復原力が弱くなり、横揺れ周期が長くなると学習しました。

だから、現船より大きなレーダーマストもアルミで造っている。

練習船だと私たちの居住スペース(学生室)があるので、水線より上の空間が必要ですもんね。
そこは、トン数のヒミツのところで履修済みです。

さらにアルミは鉄と比べて耐食性に優れ、錆に強い性質があるからね。

木甲板と同様に長持ちしそうですね。
先日コスメの講習で、肌の下地が大切って教えて貰いましたもん。

すまん、そこはわからんがたぶんそのとおりだろう。

アルミを採用した上部構造物
9月6日に通過した台風11号の塩害対策として、養生したうえで清水洗いし搭載している