- 大島丸
【大島丸代船建造 プロジェクト】第19回
【大島丸代船建造 プロジェクト】紹介
通称:MNP(MOTUNUI PROJECT)
(モツヌイ:大島に関連のあるハワイの言葉で、大きな島という意味)
みなさんお久しぶりです。
しっかり休んだかな? 有意義な夏休みを過ごすことができたようだね。
着々と進んでいる建造状況が気になって、夜も眠れませんでしたよ。
いよいよ船台にブロックが搭載されて、船の形になってきたからね。
進捗が気になるだろうから、今回はわかりやすいブリッジを紹介しよう。
よろしくお願いします。

すごい、ギラギラ光っているじゃないですか!
ブリッジを含め、上部構造物はアルミ製だからね。鋼製の鈍い光とは違うだろう。
それでは、内部の予想図を開示しよう。

船舶の安全運航に一番大切な「見張り」を行いやすいように、とにかくガラス面積を広げて、視界を確保しているのがわかるかな?
四方が、ぐるっとガラスですね!
今まで周囲を確認するためにいちいちブリッジの外まで出ていたので比べ物になりません。
チャートテーブルでも目線を上げれば、そのまま外が見えますね。
そうなんだ。海図区画の窓は横幅を広げて貰っているし、左舷側は壁だったところにも小さめだけれども、窓を追加して貰っている。
ブリッジ内から後方が見えるって、当たり前ですけど使いやすいです。
ついでに、ブリッジに出入りする引戸も全面窓にしているよ。
足元まで見られると、緊張感が半端ないような・・。
明るく、見通しの良いブリッジで経験を積んでもらいたいね。
ところでブリッジの前端が曲がって見えますが、風圧を考慮したのですか?

確かに上部のカウル部分からも、そう考えても不思議はない。
でも、これは船首作業者の作業状況を足元まで確認するための工夫なんだ。
計画段階で、ブリッジ前に通路が欲しいと他の商船高専から要望があったので、それを採り入れることになったのだが、この下が階段になっているため有効な幅が必要なこともあって、ブリッジから船首作業が見えにくい構造となってしまっていた。
投錨実習や入出港作業では、船首で実習生が作業することが多いですからね。

ブリッジ前面に教室にあるような台を置いて眼高(目の高さ)を上げて、手前の視界を確保しようとも考えたが、段差でつまずくこともあるから止めることにした。
それでは前面の角を削って視界を確保しましょうと、三菱造船から提案があったんだ。
なるほど、見え方が全然違います。

設計段階での不具合解消がいかに大切か良くわかるよね。
ここでもCG図面が活用されているから、I科にも協力して貰っているようなものだ。
見られているとわかると、緊張しますしね。
ブリッジの実習生からも、船首で作業するクラスメイトの動きを見ることができるから一体感を高めてくれると良いね。
連携を考えながら良い緊張感で臨みます。