• 大島丸

【大島丸代船建造 プロジェクト】第14回

【大島丸代船建造 プロジェクト】紹介

通称:MNP(MOTUNUI PROJECT)
(モツヌイ:大島に関連のあるハワイの言葉で、大きな島という意味)

新大島丸の特徴 ゲートラダー

みなさんこんにちは。
前回の説明でゲートラダーのユニークな特徴は理解できました。
でも、ふつうの舵と違うってことは、私たち学生の実習には向いてないような気がします。

確かにこうやって、ゲートラダーの仕組みや効果を学習するのは難しいけれども、操舵(舵をとること)する時の感覚が大きく違うわけではないから、安心していいよ。

それなら良かったです。

舵がプロペラの両側に配置されることで、抵抗が減ることは前回説明したとおり。
更に舵板を非対称の翼型とすることで、わずかだが前進推力を生み出すことができる。

従来の抵抗を発生させていたものが、反対に推進力に代わるなんて驚きです。

そのうえ、プロペラ面に流入する流れを整流することでキャビテーションが減少し、プロペラトルクの変動が低減するので燃費が改善されると報告されている。

そうか、これが騒音抑制にもつながるのですね。

水中に放射される雑音も少なくなるので研究機器への影響も減るだろうね。
また、ゲートラダー搭載船は船首揺れが少なくなる傾向にあるから、あて舵(直進できるように船首が振れる方向と反対側に舵をとること)が減少すると予想している。

私はあて舵が得意ですから、ちょっと残念です。

確かに。大きく転舵をした時に船速が落ちることは、実習で体感したよね。
直進がしやすいということは?

燃料節減ができる!

そのとおり。いいとこばかりに思えるだろう。
最後にこの舵の最も面白い機能を紹介しよう。
それが、クラビング(カニの横這い)モードだ。
プロペラ放出流を略真横に出せるため、文字通り船尾を真横に這わせることができる。

代船にはスターン(船尾)スラスターも搭載されているから、複雑で強い潮流が発生する学校桟橋での運用が楽しみですね。

かもめプロペラ株式会社 ゲートラダー®システム

かもめプロペラさん、今回も資料提供ありがとうございました。