- 大島丸
【大島丸代船建造 プロジェクト】第13回
【大島丸代船建造 プロジェクト】紹介
通称:MNP(MOTUNUI PROJECT)
(モツヌイ:大島に関連のあるハワイの言葉で、大きな島という意味)
新大島丸の特徴 ゲートラダー
みなさんこんにちは。
電気推進機構やCPPが気になって一般配置図を見ていたのですが、代船は船尾のプロペラと舵の配置が変わっていますよね。
ふつうはプロペラの後方にある舵がプロペラの周りにあるように見えます。
左図代船、右図現船:プロペラの後方に舵が配置されている



よく見つけたね。それが「ゲートラダー」だ。
今回は、デッキパートの特徴として、そのゲートラダーについて説明しよう。
現船はシリングラダーでしたが、新造船の舵は初めて聞く名前です。
近年は省エネのために、様々な研究が行われている。
ゲートラダーは、これまでの舵の主たる役目である操舵に加えて、推力を生み出すという新しいコンセプトを持って開発された新世代のラダー(舵)システムだ。
大島丸が初採用なのですか?
残念ながらそうではなくて、代船で5隻目の採用となる。
舵が2枚あるからイニシャルコストと呼ばれる初期投資が高額になるため、まだ採用事例は増えていないけど、高性能であることは間違いない。
代船では、就航後にその効果を調査しようとしている。
学校桟橋付近ではややこしい潮流が発生しているので、入港の度に舵の使い方が違いますから、高性能の舵を装備していると面白そうです。
それに舵がプロペラの真後ろにないから、大きな抵抗にならないため、エネルギーロスが小さくなり、下図のとおり省エネ性能が高くなっている。
同じ船型で燃料使用量が大きく減少するなんて、凄いですね。
ということは、直進中の振動も少なそうです。



どんな操舵感なのか早く体感してみたいです。
私も同感だね。
前回説明した電気推進を用いた省エネと騒音抑制が、ゲートラダーの採用でシナジー効果を発揮して更に環境に優しく、静かな船になるだろうからね。
かもめプロペラ株式会社 ゲートラダー®システム
かもめプロペラさん、わかりやすい資料提供ありがとうございました。
次回はゲートラダーのメカニズムについて説明しよう。