- 大島丸
【大島丸代船建造 プロジェクト】第5回
【大島丸代船建造 プロジェクト】紹介
通称:MNP(MOTUNUI PROJECT)
(モツヌイ:大島に関連のあるハワイの言葉で、大きな島という意味)
学生居住区の秘密
みなさんこんにちは。
Captain(船長の事を船内では、キャプテンと呼ぶ)船体がこれだけ大きく変わっているとなると、私たちが生活する学生居住区がどうなっているか興味津々です。
ワハハ。
練習船なんだから、先ずは実習を頑張って貰わないとね。
でも、君たちの世代は、仕事の他にプライベートを充実させたいという想いが強いようだから、そこにもちゃんと気を配ったよ。
わあ。ありがとうございます。
船は航行中どうしてもローリング(横揺れ)することが多いので、通常はボンク(ベッドのこと)を船首尾方向に向かって縦置きに設置するんだ。
現大島丸は斜めになっているボンクもあります。
すまない。船内に余裕がないからね。
新大島丸でも設計当初はボンクを縦置きにしていた。
でも、それだと、全長56mでは他のスペースを有効活用できないことがわかった。
それに、Mさんのような女子学生への配慮が難しかったからね。
前回のGA(一般配置図のこと)では、ボンクが横置きになっていました。
お、よく見てたね。
では、君たちの部屋の中を披露しよう。
中央奥の白い四角部分がスカッツル(船の窓のこと)にかけたロールスクリーンだ。
この3Dでは、右側が船首方向になる。

すごい!
前に乗ったことのある、大型フェリーのファーストルームみたいじゃないですか。
狭苦しさが解消されています。
そんなに喜んで貰うと、私が照れるよ。
二段ボンクの上段に上がる垂直梯子の代わりに、奥の階段を使うんですよね。
これなら、誰でも上のボンクを使えます。
そのとおり。
災害支援に就いた時に、様々な人たちに利用して貰うことを想定して、これまでの設えから変更している。
ファミリーやグループで使って貰うことを想定に入れ、ボンクのマットレスは三つ折りできるタイプにして、部屋の中で車座になって談笑できるようにした。
それに、日本人は靴を脱ぎたい人が多いからね。
これだと、クラスメイトとの話が尽きそうにないです。
本校の実習では、夜間航行を殆ど行わないので、横揺れを気にする必要がない。
だから、ボンクを横方向に設置することによって、他のスペースを有効活用することが可能になったのさ。
それに落ち着いた色の感じで、ぐっすり眠れそうです。
ほほう。
そこにも気がついたかな。
これまで寝るスペースでしかなかった居室を、翌日もしっかり実習ができるようにくつろぎの空間に仕上げようと論議した。
通常なら学生居住区4人×12部屋全てが同じカラーリングで仕上げられるのだが、それでは工夫がない。
だから、造船所にはムリをいって、カラーを変更して貰った。
知ってのとおり、周防大島はハワイと所縁がある島だ。
テーマカラーとして、海の色ブルーは当然選択される。
次に、下校中に学校桟橋から見える特徴的なものと言えば?
夕日ですね!
そうだ。次にオレンジを選択した。
メインカラーはこの2色だ。
そして、サブカラーとして椰子の木から茶色、白い砂浜からベージュをチョイスした。
それが新大島丸のカラーなんですね。
このInspirationを受けた4色が、デザインプロの手によって更に洗練された。
それに加えて12室すべてに番号ではなく、ハワイ語のサブネームを学生につけて貰った。
去年アンケートをとりました。
確か1位はイルカだったかと。
イルカはハワイ語で「NAI’A」だね。生き物のグループはベージュになった。

毎回、実習の度にどの部屋に入れるか楽しみです。
これが、くつろぎの空間になるんですね。
スッキリと休んだのだから、実習にも身が入るだろう。
トホホ・・、頑張ります!