• お知らせ
  • キャンパス

小型船「伝馬船7号」を用いて「海洋教育パイオニアスクールプログラム ~海底地形の精密探査体験~」が実施されました

 11月21日(火)の13時半~14時半に、柳井市の大畠小学校の6年生6名を対象に、「海洋教育パイオニアスクールプログラム ~海底地形の精密探査体験~」を実施しました。このプログラムは、公益財団法人「笹川平和財団」他の支援により、海洋環境保全活動を行う周防大島町の市民団体「屋代島さとうみネットワーク」が企画主体となり、本校と連携して行われています。大畠小学校からは児童6名と校長先生と担任教諭、屋代島さとうみネットワーク代表、本校からは実習船の船長と機器の操作職員と全体説明を行う教員の3名が参加しました。
 今回のプログラムでは、小型船に装備されたMBES(Multi Beam Echo Sounder:海底地形精密探査装置)により、船上からの大畠漁港周辺の海底地形探査を行いました。この機器は、船が航走しながら、超音波を横方向の扇面上に発信し、その反射波により自船周囲の海底地形の状況を知ることができます。そして、船を航走させることにより、その時々の探査結果を船上のパソコンで繋ぎ合わせることにより、図1に示すような面的な海底地形図を得ることができます。
 参加者は、4名ずつ2班に分かれ、各30分ほどの乗船観測体験を行いました。また、陸上に残った班は、漁港の防波堤より、探査航行している様子を見学しました。船上では、直接に見ることができない海底地形が、船上のパソコンのモニタに、次々と映し出され、また漁港内では数m以内であった水深が、防波堤を出て沖に向かって、おおよそ10~20~30mと変化していくことや、所々に凸凹があることも確認できました。また、本校教員の説明により、当地の海図に記載されている水深との比較検証も行いました。
 こうして、電子機器を用いた海底地形探査を実際に体験してもらうことができました。そして、船上からは、海面や水中の魚を間近に見たり、また海上から大畠の町並みを見ることもできました。こうした船を使った体験により、教室では得られない、地元の海について様々な理解を深めていただけたと思います。

写真1 大畠漁港で乗船前に記念撮影

写真2 「伝馬船7号」により1班目の出港
(船の右舷側のポールの水中に超音波発信部、上部に高感度GPSアンテナを設置)

写真3 モニタに出てくる海底地形の観察

写真4 海図記載の水深との比較説明

写真5 実際の海面も観測(魚がいるかな?)

写真6 海上から見た大畠の街

図1 今回の航海における探査結果:黄色矢印が船の軌跡、赤~黄~緑~青~紫が実際の観測水深(m)
(MBES ”NORBIT iWBMS” による取得データを専用ソフトウエアで一次表示したものであり、諸所の補正処理は行っていないものである。)