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第三者調査委員会 調査報告書の公表について

学生及び保護者の皆様へ

はじめに、お亡くなりになりました男子学生のご冥福を心からお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆様に対しまして心からお悔やみ申し上げます。
この度、令和2年11月23日に再度設置した「大島商船高等専門学校第三者調査委員会」から、令和3年9月17日に「調査報告書」が提出されましたので、ご報告いたします。
平成28年5月に当時本校商船学科1年生の男子学生がお亡くなりになり、すでに5年の歳月が過ぎました。今日に至るまでの間、調査が長期間に亘り、ご遺族様に疑念を抱かせ、ご遺族様の一刻でも早く原因を知りたいとの思いに応えることができず、この間のご遺族様の深い苦しみ、深い悲しみのお気持ちを思うと言葉もありません。学校としてご遺族様に十分に寄り添えなかったことについて、深く反省しております。特に、ご遺族様と旧第三者調査委員会との信頼関係を築けなかったことについては、設置者である学校の責任であると痛感しております。
調査報告書では22項目のいじめが認定され、そのいじめが自死の原因であったとの調査結果が示されました。中学卒業後すぐに多くの学生が保護者の元を離れ、学生寮で共同生活を行うこととなる高専特有の特殊性を鑑みず、学生の個性を見極めながら、学生個々の特性に沿ったきめ細かなアドバイスやサポートを行えなかったことを残念に思っております。
結果として、教育現場において、いじめの未然防止、早期発見、早期解決に至らず、学校の管理下にありながら、一人の学生の生命を守り切れなかったことは、全て学校の責任であり、校長として深くお詫び申し上げます。
また、多くの在校生、その保護者様、卒業生など関係の皆様、これまでの報道をご覧になった地域の皆様を含めた一般市民の方々へ、ご疑念を抱かせ、信用、信頼を損なったことに対しまして、大島商船高等専門学校を代表して謝罪いたします。
この度、調査報告書の全文(一部マスキング処理をさせていただいています。)を、大島商船高等専門学校のホームページに掲載させていただきました。
調査報告書では、本校に対する多くの問題点が指摘され、これからの改善点について提言をいただきました。
今回指摘された問題点、再発防止に向けた提言を検証し、多くの反省と検証の中から、この厳しい現状を真摯に受け止め、私が先頭に立って教職員一丸となって再発防止に取り組むことをお約束いたします。
一度失われた信用、信頼の回復は決して平坦な道のりではございませんが、教育現場に携わる私共の資質が問われ、その責任の重さを認識し、教職員はもとより、保護者の皆様、卒業生など関係の皆様、地域の皆様を含めた一般市民の皆様のご協力を得ながら、再発防止と教育環境の向上に努めて参ります。

学生の皆さんにお願いがあります。掲載された調査報告書から、関係した学生を特定しようとしたり、非難したりしてはいけません。そのような行為は、新たないじめを生むことになります。
「いじめ」とは、「相手に、心理的または物理的な影響を与える行為で、対象となった人が心身の苦痛を感じているもの」です。いじめは、高専生として絶対にしてはいけない行為です。また、いじめを傍観することもいじめをする行為と同様に許されない行為です。このことを念頭において、誰もが苦痛を感じることなく学生生活が送れるような学校にしていく所存です。
最後になりましたが、多くの在校生、その保護者様、卒業生など関係の皆様、これまでの報道をご覧になった地域の皆様を含めた一般市民の方々へ、大島商船高等専門学校を代表して改めて深くお詫び申し上げます。

令和3年9月17日

独立行政法人国立高等専門学校機構
大島商船高等専門学校
校長 古莊 雅生

第三者調査委員会調査報告書はこちらです。