• 大島丸

【大島丸代船建造 プロジェクト】第25回

みなさんこんにちは。
キャプテン、進水後はどんな艤装工事が行われているのですか?

まずは塗装だね。
これまで鉄と鉄を接続させる溶接を見てきただろう。
溶接には熱が発生するので、その近くも焼けてしまう。
高熱だから溶接面と反対側にも焼け跡が発生する。

え!知りませんでした。
接着剤のように接着面だけかと思っていました。

れはブリッジ後方の時計をかけるための台だ。
その台の脚の部分が4ヶ所とも溶接で焼けているのがわかるだろう。

はい、焦げこげです。
それを見越して、まわりを塗装していないんですね。

説明したとおり、この裏側も同じように焼けてしまう。
その焼け跡をきれいに磨いてから、ようやく塗装工事にかかる。
それから、壁なんかの内装を造り始めるんだ。

あっ、進水後工程表に書かれていた火気接点ってこれのことですか?

そのとおり、それまでに溶接を終わらせるということだ。

うわぁ、もう後戻りできませんね。

そのために、事前に打合せを重ねているんだよ。

前回と甲板の色合いが違いますね。

鋼板は錆びるので、腐食が進行しないように下地に錆止め塗装を行う。
その上に、上塗りと呼ばれる仕上げ塗装を施工する。

お化粧と一緒ですよね。
デッキにあるポツポツは木甲板を設置するための突起ですね?

うん、ここは木甲板で隠れてしまうので、この色が仕上げになる。
その他のデッキは木蘭色といわれる色が塗られる。ちらっとお見せしよう。

おぉー、木甲板をイメージして木の色ですね。
ってか、これ階段じゃないですか。

こういった後付けできる部品は、どんどん先に塗装しておくんだ。

溶接しなくていいわけですもんね。
それにしても真っ白い船体にオレンジのファンネルカラーが目立ちますね。
惚れ惚れします。

写真の見え方で色合いが変わってみえるけど、この色は地元周防大島名産のみかんをモチーフしている。

そうなんですね。
テーマカラーの校舎から見る夕日のイメージにも繋がります。
それにしても、どっしりとした大きな煙突になりましたね。

実は大型化したことには理由がある。
現船や一般船舶では煙突付近にある物が無くなっているのがわかるかな。

エンジンルームへの入口ですか?

それは当然あるよ。(煙突後部の黒い部分の右側端に設置されている)

ん〜、わかりません。

正解は、エンジンルーム送排風機がデッキに無いんだ。

あ、そうだ。

現大島丸の送排風機 かなり大きなことがわかる

化粧煙突を大型化して煙突内部に送排風機をとりこんでいる。
だから、デッキがすっきりしているだろう。
それにより、騒音が少なくなることも見込んでいる。

朝礼の時もかなり大きな音がしていましたからね。

今度は、聞こえませんでしたが通用しないので心しておくように。

抜かりなく頑張ります。