- 大島丸
【大島丸代船建造 プロジェクト】第15回
【大島丸代船建造 プロジェクト】紹介
通称:MNP(MOTUNUI PROJECT)
(モツヌイ:大島に関連のあるハワイの言葉で、大きな島という意味)
船の心臓 主発電機
みなさんこんにちは。
先週からリモート授業になっているが、暑さに負けずにちゃんと遠隔授業を受けているかな?
どうしても宵っ張りにはなっていますけど、なんとかついて行っています。
早寝早起きは体調管理の基本だからね。規則正しい船員生活を始めるにあたって今から習慣づけておこう。健康に関連付けて、船の心臓と呼ばれる機器はなんだろうか。
主機関、メインエンジンのことですよね。
そういえば、代船は電気推進船ですから、推進電動機を心臓と呼ぶのでしょうか?
推進電動機が船を動かす重要な機械であることには間違いない。主要目には推進機関として、推進電動機の出力が記載されている。(定格745kWが2台)
だが、実際にはエネルギーを生み出す主発電機が心臓だといえるだろうね。
確か主発電機は3台ありました。心臓が3つもあるわけですね。
以前説明したとおり、主の発電機となるわけだが、主発電機は原動機(エンジン/発電機関)と発電機(ジェネレーター)で構成されており、心臓になる部分と言えばやはりエンジン部分だろう。
その発電機関は、出力750kWのものを搭載している。
これ1台で一般家庭約250世帯の電気を賄うことが可能だ。
3台搭載されていますから、代船1隻で750世帯分ということですよね!
そのとおり。
主発電機のエンジンは、どんなものを選んだのですか?
代船の発電機関にはヤンマー6EY18ALWというエンジンを採用した。
このエンジンは、信頼性が高く、環境に配慮したエンジンで2006年の登場から、今までに1万台以上も出荷されたベストセラー機だ。

工場試運転中の代船の主発電機(ヤンマー 6EY18ALW)2022.07.15
上部に銀色の頭が6つある部分が発電機関、奥の薄緑色部分が発電機
1万台以上といわれても、正直なところあまり想像がつきません。
舶用エンジンではよく売れても数千台で、1万台を超えることはまずない。
同クラスの発電機関としては国内シェアが7割もあり、本校の卒業生が乗船する船にも、発電機関として多く採用されている。
だから代船でこのエンジンを学習すれば、卒業後も同型エンジンを扱う機会が多いだろう。
卒業後も代船で慣れ親しんだエンジンを扱うとなれば安心ですね。
代船には、同型エンジンが3台あるから、実習でエンジンに触れるチャンスが増える。即戦力として活躍できる筈だ。
もうひとつの特徴として、エンジンの防振システムに金属ばねを採用している。
防振システムを採用する理由は、振動や騒音を減らして船内環境を良好にすることや、観測時のノイズを小さくするためだ。

下部の薄緑色の部分が、舶用金属ばね防振システム
現船には、金属ばねではなく防振ゴムを採用していますよね。
お、大島丸ノートをよくチェックしているな。
防振ゴムは、時間経過とともに変形が大きくなるクリーブ現象が発生するから、交換が必要になる。しかし、金属ばねはメンテナンスフリーで半永久的に交換する必要がない。
それに加えて、従来の防振ゴムより広い範囲の振動騒音を低減できる。
リチウムイオンバッテリー採用に、ゲートラダーの採用と、振動騒音にはかなり気を配っているので、本当に静かな船になりそうですね。
船が動いているのがわからなかったりして。
ハハハ。本当にそれくらい静かになって欲しいところだね。
静かで快適な代船での実習が楽しみです!