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姉妹船(大島丸と弓削丸)の違い
それにしても、弓削丸と大島丸、そっくりでしたよね。
外観では殆ど区別がつきにくいだろう。
3マイル(約5.5km)も離れるとわからないんじゃないかな。


良く見るとファンネル(煙突)の大きさや、船側の青いラインが違いますよね。
でも、どうしてシリーズ船にする必要があったのでしょうか。
それは大島丸だけではなく、商船高専での最終船となる広島丸まで連続して建造できるように高専機構から文科省、そして財務省にわかりやすく説明しやすかったからなんだ。
確かに建造費は凄く高かったと聞きました。
各商船高専の同窓会をはじめとする応援団の皆さんのおかげだね。
弓削丸は大島丸と同じ造船所で建造されたのでしょうか。
今では同じ組織となっているけれども、三菱重工マリタイムシステムズの
玉野工場で建造されたんだ。
大島丸は三菱造船の下関工場でしたから、違うといえば違うわけですね。
シリーズ船であるとともに、学生が実習する練習船の機能を詰めていくと、似たような外観にはなるんだけどね。
Mさんなら、他にも違っている箇所に気がついただろう。
そうですねぇ。アンカー(錨)の位置が違っています。
そのとおり、大島丸の船首には、ボルスターと呼ばれる出っ張りをつけているから、
出目金のようにアンカー収納位置が張り出していることがわかる。




それに付帯するところには気がついたかな。
バルバスバウのマークが違います!
※バルバスバウ:船が走る時に造りだす波を減少させるために、船首に突起させた部分
苦笑。それはそうだが、5年生ならもう一声欲しいな。
あれ?バウバスバウの形状が違うんじゃないですか?
太さが全然違います。
正解。大島丸は研究のために船底に気泡を発生しにくいように
カモノハシのような形状を採用したからボルスター(突起した当てもの部)を設置して、収錨位置を張り出しているんだ。
弓削丸は、反対の考えで錨を船体に近いところに設置したから、
バルバスバウを痩せさている。
考え方が違うわけですか、細かく見ていくと違うものですね。
ファンネルの大きさがずいぶん違うように見えました。


外観で一番違う箇所かもしれないね。
設置されている場所が違うのにも気がついたかな。
ほんとだ、大島丸の方が後ろにあります。
弓削丸は、エンジン内部に大物を出し入するための開口部がファンネルの後ろ側にあるんだ。
大島丸は電気推進船なので、エンジンルーム内の配置が違うことが理由なんですね。
それに、校章がついている位置も違いますよ。
弓削丸の方が、高いからだよ。
ファンネル上部の船首側が囲われて、排気が上手く流れるようになっているね。
弓削丸の白いファンネルは伝統を感じさせます。
大島丸は周防大島特産のミカン色なんですよね。
それに、・・。
ん、んぅん。
船首に比べると船尾は、かなり違いを感じるんじゃないかな。


弓削丸は、丸みを帯びていますね。
見た目も大事、船の魅力はなんといっても船尾部だからね。
帆船・日本丸や海王丸のとも(船尾)は、素敵な膨らみ方だろう。
大島丸のユニバーサルフェアリーダーとは違うフェアリーダーなんですね
※フェアリーダー:係船索の擦れを減少させるため船側に設けられた回転体
行く港が違うから、考え方が異なって当たり前なんだ。
船の工夫を見ていると、飽きません。
次回は船内ですね。楽しみにしています。